この作品はNSPの「弥生・・・」とは何ら関係ありません。師走つめたい風
僕は大学の正門を早足で出た。 そして駆け足で渋谷駅に向かう歩道橋をのぼった。 さすがにこの季節。街の彩色が艶やかだ。 ポインセチアもやたらと目に付く。 ぱったりと足が止まった。 そのとき・・・ 突然の北風が身を切り裂いた。 マフラーが歩道橋の下に飛ばされた。 僕が慌てて駆け下りて、落ちた場所を探しても なぜか見つからなかった。 そして、これも偶然。 「成人式以来だね。」 うしろからマフラーを僕に掛けてくれたのは、 中学時代の同級生だった。 もどる