取れかかったフード

前、ここに来たのは3年前にもなる。 秋なのにものすごく寒かった日だった。 大学通りから少しずれた所にある喫茶店で 僕は無駄な時間をつぶしていた。 (あと、30分待って来なかったら大学にでも戻るか・・・) 同じようなシチュエーションだった。 少し違うのは、商店街の人がツリーの飾りつけを 頑張っている事ぐらいか。 気まぐれな手紙に今回も躍らされたのだろうか? 僕が諦めて外に出ようとしたその刹那・・・ 僕はコートのフードを思いっきり引っ張られた。 「ぱちぱち」という音の後に何かが転がる音がした。 最初何が起きたのかよくわからなかった。 振り返ったそこには、 なにひとつ変わっていない君と、 なにひとつ変わっていない、いたずらっぽい微笑みと なにひとつ変わっていない、気まぐれな時間が・・・ そこにはあった。 もどる