改札口

(ったく・・・意地っ張りなんだから) もしかしてお互いそう思ってるかもしれない。 そんなこと思いつつも、何もしゃべらなかった。 「かえろっか?」 「うん・・・」 僕は疲れてきた。 早く帰りたかった。 きっと日が変わればうまくいくはずさ! 「じゃあね・・・」 「あぁ」 僕は切符を改札に通した。 振り返って君の瞳を見ると、 なんかもうやりきれなくなってきた。 もうずっと会えそうも無い気がした。 (会えるのってもしかして今だけなんじゃ・・・) 「バイバイ」 と君が言う。 僕は、また 「あぁ」 と気の無い返事をして後悔した。 しかし、 ・・・・・・! 僕は君に呼ばれた。 振り返りざま 「ゴメンネ!!!」 と叫ばれた。 僕も思わず叫びかえした。 一番はしの改札に僕達は駆け寄った。 時間帯だから人も多いはずなのに、 丁度電車の切れ間なのか人だかりは少なかった。 「手・・・届くかな・・・」 「もっと近くに来て」 「本当?」 「誰も来ないじゃないから大丈夫だよ」 <一旦外に出てください> 自動改札が騒ぎ立てた。 でも僕達の手を邪魔することは誰もできなかった。 もどる