この物語はフィクションであり、登場人物、団体
地名及び店舗等は実在のものと異なります。
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夜
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扉をあける。
明かりを燈す。
誰もいない散らかった部屋・・・

僕はひとり晩飯を作る。
不器用な僕は包丁の奏でる音にリズム感がない。
たとえ美味しく作れたとしても
食べさせるひともいない。
失敗したとしても
愚痴れるひともいない。

布団に入ってもこの孤独感が
襲ってくる。
苛まされる。
暗闇に覆われれば覆われるほど虚しさに
苛まされる。
 
電話が深夜にかかってくるはずもない。
でも思わずピッチを手に取った。
こんな深夜にかけていいなんて思っているのか?
常識だろ。
でも常識って何?
常識も僕を苦しめている。
 
本当の敵は闇に埋もれている。
何も見えない夜にだけ
彼らは後ろから毎晩迫ってくる。
毎晩・・・

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