The Deutsch Album -EXtend-BERCHTESGADEN 1900年代最後の夏。 ぼくは再び欧州の地を踏んだ。 それは、まだ見ぬ「鷲の巣」と呼ばれる景勝地 ベルヒテスガーデンにゆくために・・・ ミュンヘン-ホフブロイハウス-の喧騒の酔いがまだ醒めぬ翌朝、 白鳥(ノイシュバンシュタイン)に再び逢いに行った。 そのあと車を駆り400Km離れたかの地を目指した。 ロマンチック街道から国道へそしてアウトバーンを突き進み、 オーストリアとの国境を越える。 ザルツブルク南インターから再びドイツに越境し、 オーバーザルツベルクの山道を進みその先の駐車場に車を止める。 ここから先は一般車両は侵入禁止。 故にバスに乗り換えなければならない。 バスのチケットは22DMだった。 そしていよいよ「ケールシュタインハウス」に向かうバスに乗る。 山道は狭くバス一台がやっと通れる・・・ というより香港以上な狭さ。 石神井のバスだってここはきついというような 坂を切り替えなしで進んでゆく。 霧の中を進み、山道をあがる。 霧の合間に見える景色は素晴らしいと思った。 (天気が良ければもっとすごかったろうに) 暫くしてそれは間違いだと気がついた。 霧ではなく雲だったのだ。 下に雲が見える。
そんなに高くまで昇ったのか・・・ 30分ぐらいっ経ったろうか、 ようやくバスの停留所についた。 思ったより寒くない。 暖かい陽射しがぼくを迎えてくれた。 帰りのバスの時間を予約した後まわりを見渡す。 目指すケールシュタインハウスはまだ上だ。
黄金のエレベーターはトンネルの奥だ。
暫しバス停のまわりの景色を堪能しトンネルに入った。 この中は非常に冷たく足どりが勝手に速くなる。 突き当たって右手に 黄金のエレベータが出迎えてくれていた。 リフトのスピードは予想以上に速く あっという間にケールシュタインハウスまで誘ってくれた。
(黄金のエレベータ) エレベータを降り、 レストランを進み山荘の外に出る。 霧の世界の中に出た。 (また曇ってきたな)
しかしすぐに雲は去り一面に絶景が広がる。 本当に山のいちばん上に建てたことがよくわかる。 もう尾根のほうを除いては まわりは見下ろすだけ、 雲が横切りはっきりと下が見えない。 四方には山が聳え残雪もある。 尾根のほうに足を進める。 十字架にエーデルワイスが掛けられているのが見えた。
神秘的だな・・・ 振り返るとケールシュタインも 幻想的な絵の世界のように感じた。
(私のデジカメを使う腕が悪く、 絞りがうまくなかったので魅力が伝わらないかも・・・) 「アドルフに告ぐ」そのままの絵。 街中は歩けなかったけど、湖もいけなかったけど、 ヒトラーが愛したこの地の魅力は 別に彼だけを虜にするものではないんだな。 戻る